KazanA Superb Imagination at Works

展覧会構成

蕭白を学ぶ─華山の出発点─

横山家は曾我蕭白と交流があり、華山は幼少の頃から蕭白の作品に直接触れる機会を得、彼に傾倒しました。こうした「蕭白経験」の日々は、奇想の画家と呼ばれる蕭白の自由で斬新な画風を華山へと受け継がせ、それがのちの彼の画業の軸ともなりました。展覧会のプロローグでは、華山の原点となった蕭白風の作品をはじめ、初期の作品を紹介します。

横山華山《四季山水図》 個人蔵
横山華山《四季山水図》

人物─ユーモラスな表現─

華山は人物表現を得意としており、じつに多くの作品が残されています。たとえば中国の故事を題材に取り上げつつ、そこに同時代の人々の日常生活を巧みに写し出しています。人目を驚かせる趣向や、ユーモアに満ちた人物の描き方など、華山ならではの多彩な人物表現にご注目ください。

横山華山 《唐子図屏風》(右隻部分) 個人蔵
横山華山 《唐子図屏風》(部分)

花鳥─多彩なアニマルランド─

龍や鶴をはじめ多くの動物や花々を描いた作品群。どれも巧みに描かれ、華山の多才ぶりが窺えます。特に、虎の絵を得意とする岸駒の弟子だったこともあり、華山も虎を題材に多くの絵を手掛けています。花鳥画にみる迫真性に満ちた描写や、機知に富んだ表現は見逃せません。

横山華山 《雪中烏図》 個人蔵
横山華山 《雪中烏図》

山水─華山と旅する名所─

華山は、富士山や天橋立、二見浦といった日本の風景だけでなく、西湖や蘭亭曲水など中国の景色も描いています。山水の画題には、見ごたえのある大作が多いのが特徴です。また、華山の名を一躍世に知らしめたのが、《花洛一覧図》です。京都の町並みを俯瞰的に描いた摺物で、当時の知識人として知られる斎藤月岑さいとうげっしんが『武江年表ぶこうねんぴょう』で伝えているように、江戸の絵師たちにも大きな影響を与えました。

横山華山 《瀑布図(滝図)》 個人蔵
横山華山 《瀑布図(滝図)》

風俗─人々の共感─

華山がその真骨頂を発揮していたのが風俗画です。伝統的な画題に独自の視点と表現で新たな息吹をもたらし、身近な場所や文化、行事をつぶさに描いて、人々の共感を得ました。とりわけ祭礼図は華山の独断場で、祇園祭、やすらい祭、賀茂の競馬などを画題に数多くの大作を残しています。

横山華山 《百鬼夜行図》 個人蔵
横山華山 《百鬼夜行図》

描かれた祇園祭─《祇園祭礼図巻》の世界─

《祇園祭礼図巻》は、江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上下巻約30メートルに渡って克明に描いた華山の集大成ともいえる壮大な絵巻です。祇園祭のハイライトである山鉾巡行を描く絵は他に多くありますが、巡行以外の行事や祭りで賑わう人々の姿まで事細かに正確に描いた唯一の作品です。
近年発見された下絵とあわせて展示することで、華山がいかに丹念な取材と観察を重ねたかがわかります。

横山華山 《祇園祭礼図巻》 (下巻部分) 天保6–8(1835–37)年 個人蔵
横山華山 《祇園祭礼図巻》 (下巻部分) 天保6–8(1835–37)年 個人蔵
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