KazanSuperb Imagination at Works

見どころ

見どころ①天才天才を呼ぶ!

蕭白と華山がそれぞれ描いた《蝦蟇仙人図がませんにんず》をご覧ください。落款や印章を見ることなしに、どちらが蕭白の作品かわかるでしょうか。華山は若くして蕭白と比較し得るほどの才能を発揮していました。会場では貴重な優品を並べて展示し、二人の天才絵師の競演をご覧いただきます。

横山華山 《蝦蟇仙人図》
横山華山 《蝦蟇仙人図》 個人蔵
曾我蕭白 《蝦蟇仙人図》
曾我蕭白 《蝦蟇仙人図》
ボストン美術館 William Sturgis Bigelow Collection
Photograph © Museum of Fine Arts, Boston

見どころ②海外から優品里帰り!

明治時代初期に華山の優品は海を渡り、現在、ボストン美術館に12点、大英博物館に6点が収蔵されています。その背景には、フェノロサやビゲローらによって華山の作品が海外で評価されていたことがあります。ボストン美術館からは、縦3メートル、幅2メートルの蕭白風の大作《寒山拾得図》をはじめ5点、大英博物館からは3点が里帰りします。うち7点が日本初公開です。

横山華山 《夕顔棚納涼図》
横山華山 《夕顔棚納涼図》
大英博物館
© The Trustees of the British Museum
横山華山 《寒山拾得図》
横山華山 《寒山拾得図》
ボストン美術館 William Sturgis Bigelow Collection
Photograph © Museum of Fine Arts, Boston

見どころ③その自由さからくる近代性見よ!

同時代の伝統や形式を重んじる諸画派に比べ、自由な表現が華山の魅力です。たとえば《城州白河之図》は、画面の真ん中に大胆に配置された大きな木に目が奪われます。正面から見た宝船という奇抜な構図の《宝船図》は、亡くなる2カ月前に描いた貴重な作品です。《富士山図》は、明治時代以降の作家の作かと見間違うような筆遣いです。《唐子図屛風》に表現された人物の顔の陰影などは西洋風で近代的な画風を感じさせます。

横山華山 《富士山図》
横山華山 《富士山図》 京都府(京都文化博物館管理)
横山華山 《城州白河之図》
横山華山 《城州白河之図》 文化10 (1813)年 個人蔵
横山華山 《宝船図》
横山華山 《宝船図》 天保8(1837)年
京都府(京都文化博物館管理)
横山華山 《唐子図屛風》
横山華山 《唐子図屛風》(左隻) 文政9(1826)年 個人蔵
上記の作品をクリックすると一部拡大してご覧いただけます。
横山華山 《唐子図屛風》(右隻)
横山華山 《唐子図屛風》(右隻) 文政9(1826)年 個人蔵

見どころ④風俗画の細かな描写は
華山の真骨頂。
見ればわかる!

《祇園祭礼図巻》は、江戸時代後期の祇園祭の全貌を、上下巻約30メートルに渡って克明に描いた華山の集大成ともいえる壮大な絵巻です。上巻には宵山や山鉾やまほこ巡行の前祭さきまつり、下巻には2014年に50年ぶりに復活した後祭あとまつりや、芸妓が練り歩く「神輿洗練物みこしあらいねりもの」が描かれています。神輿洗練物は現在行われていない行事で、絵画史料として詳細に描かれているものは本絵巻しか確認されていません。祇園祭のハイライトである山鉾巡行を描く絵は他に多くありますが、巡行以外の行事や、鉾の懸装品・御神体から曳き手の人々の姿まで事細かに正確に描いた唯一の作品です。文政9(1826)年以来、200年近く休み山となっている鷹山が、現在、本絵巻を参考にして復興を目指す動きがあるなど、祇園祭の歴史を語るうえでも重要な作品です。
《紅花屛風》は、東北や北関東の紅花の産地を二度も訪れて取材し、制作された大作で、華山の最高傑作といっても過言ではありません。紅花栽培から収穫、加工品への生産過程までを正確に描いています。京都の紅花問屋による依頼品で、祇園祭の屛風祭で飾られて好評を博したといいます。

横山華山 《紅花屛風》(右隻) 文政6(1823)年 山形美術館・(山)長谷川コレクション
山形県指定有形文化財 [展示期間:9/22〜10/14]
横山華山 《紅花屛風》(左隻) 文政8(1825)年 山形美術館・(山)長谷川コレクション
山形県指定有形文化財 [展示期間:9/22〜10/14]
横山華山 《祇園祭礼図巻》
横山華山 《祇園祭礼図巻》 (上巻部分) 天保6–8(1835–37)年 個人蔵
横山華山 《祇園祭礼図巻》
横山華山 《祇園祭礼図巻》 (下巻部分) 天保6–8(1835–37)年 個人蔵

貴重な資料を初公開!

蕭白と横山家の深いつながりが窺える「横山家宛書状」や、《祇園祭礼図巻》(上巻)の下絵であることが今回の調査で明らかとなった「祇園祭鉾調巻ぎおんまつりほこしらべかん」など貴重な資料を初公開します。同じく初公開となる「斎藤月岑宛書状」は、斎藤月岑が『東都歳事記』の執筆にあたり、餅つきなど年中行事の挿図の校訂を華山に依頼したことに対する華山からの返信の書状で、今後の江戸文化史を語るうえでも必見の史料です。

横山華山「祇園祭鉾調巻(祇園祭礼図巻下絵)」
横山華山「祇園祭鉾調巻(祇園祭礼図巻下絵)」(部分) 京都市立芸術大学芸術資料館

[COLUMN]華山は知られざる画家?

横山華山は、海外では早くから評価されており、
日本でも夏目漱石の小説『坊ちゃん』や『永日小品』に華山の名前が出てくるなど、
明治時代までは国内でも知られていたようです。
しかし画壇の潮流に左右されず、幅広い画域をもつ規格外な面は、美術史のなかでは分類しづらく、
いつしか忘れ去られ、知る人ぞ知る絵師となってしまったのかもしれません。

横山華山 《唐子図屛風》(左隻部分)拡大
横山華山 《唐子図屛風》(左隻部分) 文政9(1826)年 個人蔵
PAGE TOP